DCT


画像の断面図をとってみると、滑らかに連続していて、波形のようになってい ます。と言うより、波形です。そしてどんなに複雑な波形でも、周波数の違う sin と cos の集合に分解できます。これがフーリエ変換です。

JPEG ではフーリエ変換の親戚の、離散的コサイン変換 (DCT : Discrete Cosine Transform) を使います。離散的と言うのは、連続していない、つまり デジタル信号の事です。DCT の式は次のようになります。

DCT & IDCT formula

この変換をすると、8×8 ドットのブロックが、8×8 = 64 個の cos の波に分 解されます。そして左上が低域周波数成分、右下が高域周波数成分となります。

ここで実際に DCT をやってみましょう…と行きたい処ですが、筆者は DCT を 簡単に可視化及び加工出来るツールを持っていません。変わりに FFT (高速フー リエ変換)を行ないます。

風景 Q=75 C=1:1:1 風景を FFT

左の絵が元の画像で、右の絵が FFT を行なった画像です。DCT と違い、真ん 中が低域周波数成分で、外側が高域周波数成分です。これを見ると、この画像 には低域周波数成分が多く、高域周波数成分が少ない事が分かります。

実は、低域周波数成分が多く、高域周波数成分が少ないのはこの画像だけでは ありません。写真などの人工的でない画像はみんなそうなのです。さて、高域 周波数成分とは何でしょうか。

風景を FFT して低域成分をカットして逆FFT 風景を FFT して低域成分をカット

左の絵は低域周波数成分をカット、つまり高域周波数成分を残して逆FFT した 後、コントラストを強調した物です。左下の辺りに線が見えます。これは輪郭 線です。つまり、高域成分は輪郭線の成分なのです。


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(c)1998 村上 智一
Last modified: Fri Sep 10 23:22:30 1999