画像の断面図をとってみると、滑らかに連続していて、波形のようになってい ます。と言うより、波形です。そしてどんなに複雑な波形でも、周波数の違う sin と cos の集合に分解できます。これがフーリエ変換です。
JPEG ではフーリエ変換の親戚の、離散的コサイン変換 (DCT : Discrete Cosine Transform) を使います。離散的と言うのは、連続していない、つまり デジタル信号の事です。DCT の式は次のようになります。
この変換をすると、8×8 ドットのブロックが、8×8 = 64 個の cos の波に分 解されます。そして左上が低域周波数成分、右下が高域周波数成分となります。
ここで実際に DCT をやってみましょう…と行きたい処ですが、筆者は DCT を 簡単に可視化及び加工出来るツールを持っていません。変わりに FFT (高速フー リエ変換)を行ないます。
左の絵が元の画像で、右の絵が FFT を行なった画像です。DCT と違い、真ん 中が低域周波数成分で、外側が高域周波数成分です。これを見ると、この画像 には低域周波数成分が多く、高域周波数成分が少ない事が分かります。
実は、低域周波数成分が多く、高域周波数成分が少ないのはこの画像だけでは ありません。写真などの人工的でない画像はみんなそうなのです。さて、高域 周波数成分とは何でしょうか。
左の絵は低域周波数成分をカット、つまり高域周波数成分を残して逆FFT した 後、コントラストを強調した物です。左下の辺りに線が見えます。これは輪郭 線です。つまり、高域成分は輪郭線の成分なのです。