ついにそろった天使と神機


「げげっ…やっぱりグラフィアスだ!!」
降り立ったグラフィアス、そのハッチが開く。
「ハァ〜〜イS2 アタシの愛する妹たち!!!」


共同リビング。嫌そうなベル、ちょっと嬉しいフォル、不安な貴也、睨みつけ るリア。
「…一体何をしに来たんだよ?」
「何をしようがアタシの勝手!お前みたいな役立たずには関係ないの!!」
「う゛」
フォルはお茶を入れながら、
「クレア…お姉様でしたよね…リアを、そんなふうにおっしゃらないでくださ いな」
「あ〜あ、お茶がおいしい!」
「う゛う゛う゛っ」
そっぽを向くクレアにリアは堪えるだけ。

「つまり…クレアさんは四姉妹の長女になるわけだよね?」
「そこの人間!」
「はい!?」
「アタシのことは‘クレアリデル様’とお呼び!!!」
“…う゛”
「以前と全然変わってないわ」
「うんうん」
呆れるベルに同意するリア。
「お姉様もここにお住いになるんですよね?」
思いっきり!嫌そうな 3人。
「ん…それもいいかもしれないね」
「これから楽しくなりますね…貴也さんS2」
「そ、そうだね……きっと」
内心は不安の塊…
「わたし…このまま記憶を失ったままでも構わない気がします」
「アタシはね…フォルシーニア。そのために来たんだよ
「え?」


天界。上座に老人が立っている。
「お呼びでございますかリガルード神?」
「水瓶座の針が遅れておる…」
「全ては主の思惑どおりかと…」
「そうではない。覚醒のみならず、再生そのものが遅れておるのだ…」
「やはり…双子たちには荷が重かったのではありませぬか?」
「…いや…すでにベスティアではない者と接触は果たしておる!…だがいまだ に神機とコンタクトしようとはしておらん。このままでは間に合わん… 間に合わん…


…で!!!
「アタシがここにきたってわけだ!」
「それじゃ…フォル姉様をもとに戻すことができるの?」
「そんな難しいことできるわけないじゃない!」
単なる見物よ!ケ・ン・ブ・ツ!!! ホホホホホホホ ホホホホホ
「…………」
「それに…自分の不始末は自分で後始末するものよ。まったく…大昔から無能 なんだから、この双子のタヌキは…もう立派な堕天使さんよね
「いくら一番上のアネキでも、もーーう、許せねぇ!!! 出でよ!アル デバラム!!!
「加勢するわリア!!!」
「おやめなさい、双子たち!!!」

ギクッ…!!!
固まる双子たち。フォルは怒ると恐い事を知っている二人に緊張が走る!
「クレア姉様も双子たちをなぶらないでください。そうしないと…」
「そうしないと?」
「貴也さんに迷惑ですもの……」
「………」
一同砕ける…
「やっぱこんなやり方じゃてぬるいか…」
「おいで!フォル!!!!」


「…こんなところで一体何を?」
皆外に出る。
「まさか?」
勘ぐるリア。
「さあフォルシーニア、アタシのいう事を真似して言うのよ。来たれ!
「…来たれ」
「我ら御使いが神より賜わりし鳳駕」
「我を守護する水瓶座の神機…アクエリュース!!!」


新宿駅。公衆電話から家に電話している馨子。
「真理…アタシやっぱ帰るわ」
「え…私の家でビデオを見まくるって」
「電話してたら急に切れちゃって、何度かけ直してもつながらないの…心配だ から…」
「グランブルーと、七人の侍と、バックドラフトと、シャイニングと、裸のガ ンを持つ男と、アタックザキラートマト借りたのに…」
「ゴメンね!」


「これは…?」
「フォル姉様の神機‘アクエリュース’よ」
「なんだか、どことなくフォルに似てるような気がするんだけど…」
「神機は、あたしたちの一部なの」
「え!?一部って…」
「神機が感じることはアタイたちも感じる、神機が考えることはアタイたちが 考えるってことなのサ」

フォルは神機をじっと見つめ続けている。
「アネキが不完全なのにアクエリュース呼び出したりして…」
「そうよね…あの娘はあたしたちの神機じゃ手に負えないのに」
“う゛”
「もし…今、力を解放したら……」
「‘あの日’まで待たずに…終っちゃう!」
“う゛う゛”
まさか、何も考えてなかったのかクレア?

『お久しぶりですねフォルシーニア…この地が、ハルマゲドン なのですか?
「どひーー!!!」
慌てふためるクレアと双子たち。
「?」
『さあ…フォルシーニア、わたくしに命じてください』
「…わたしが命じる?」
『命じてください、わたしのすべきことを…』
「ダメよっ!!!」
クレア叫ぶ!
「…あなたの…すべきこと……」
「姉様!!!」
「まだ早いっ!!!」
「…何なんだ!?」
状況が分かってない者が約 1名。


tomoka-m@is.aist-nara.ac.jp
Last modified: 2000/ 7/15 4:36
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