TITLE フォルの消失
TITLE_H1 フォルの消失 ―サンプル―
KEYWORDS 電脳天使,小説,サンプル
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END
「ただいまぁ、って誰もいないんだけどね」
今日から英荘の大家として一人暮らし。大家と言っても、まだ誰も部屋を借り
る人がいないから名ばかりなんだけどね。さてこれからどうしよう。
“そうだ、さっき道で拾ってきたフロッピーの中身を見てみよう”
パソコンを起動しフロッピーの中を見てみる。実行形式のファイルみたいなの
があったので実行してみた。ディスクが読みっぱなしになって何も起こらない。
暫く待ってみよう。
「おかしいなぁ、もう 30分以上も経つのに何も起こらないぞ。しょうがない、
今日はもう止めにするか」
そして電源ボタンに手を伸ばす。
“止めて… それだけは止めて!!”
“何だ?今の声は。気のせいかな?”
僕は構わず電源を切った。
「イヤァァァアア!!」
悲痛な叫びが部屋をこだまする。その叫びは、僕に恐怖よりも罪悪感を残した…