「新一…どうしたの?」 蘭は何が起こり、今どういう状態かまだ気付いていない。気付いているのは新 一の様子がおかしい事だけ。 「…蘭……ごめん。出た…」 「出たって何が?」 「その、俺の…」 「新一の、何?」 「えと、つまり、イっちゃった」 「へ?」 「だから、イっちゃった…」 “……”「なに、それ…」 蘭はようやく意味を理解する。 「なに、それ、信じらんない」 「……」 「まだ、してないのに?」 「……」 「こんなに、早いものだったの?」 “……” 「なんとか言ってよ、新一」 “………” 「なんとか言ってってば、早漏」 “………………” カク… 新一は腕の力が抜けて、蘭に倒れ込む。 「ちょ、ちょっと何よ」 「蘭…」 新一は横に倒れ、蘭の反対側を向いて身体を丸めてイジこまる。 「な、何?」 蘭は訳が分からない。取り敢えず足を閉じるが、妙な感触を憶えて、ベッドの 上のティッシュに手を伸ばす。一通り拭いて、捨てる前に匂いを嗅いでみる。 「……」 やはり捨てる。 「ねぇ、新一、どうしたの?」 「……」 「ねぇってば」 「俺、早い?」 「え?」 「俺、早い?俺、前から心配だったんだ。その、オナニーしてもすぐ出るし、 特に、蘭の事考えてするとすぐだし…やっぱ、早い男って嫌か?」 その時、蘭はものの本に(初めての)男性に「『早い』とか、『下手』とか言っ てはいけない」と書いてあった事を思い出した。このままでは新一がインポに なってしまう(笑) 「そんな事ない、そんな事ないよ。ね、もう一回やろ。今度は大丈夫だよ。ね?」 「俺、もういいよ。今日は…」 「そんな事言わないで、ねS2」 「………」 “……最悪”