新一は突然元に戻った。そして黒ずくめの男達の情報を得る為、蘭に組織の 事は話す。が、コナンの事は話してない。ある日蘭は黒ずくめの男を発見、尾 行する。 “やっぱり、新一に知らせた方が良いかしら…” 「fぐっ!?」 壁に隠れて男を追っていたが、その反対側からクロロホルムをかがされる。 「まったく、俺達をつけたり何かするからだ」 「またあの薬を使うか」 「ちょっと使い過ぎじゃねぇか」 「なぁに、かまわしねえさ」 「う…」 黒ずく目の男達は蘭の髪を掴んで持ち上げ、薬を飲ませた。 “うぁ、あ、熱い!体が…熱い!!” 蘭の身体中が炎に包まれる。骨が軋む! “骨が…溶けてるみたぃ…… ダ…ダメ…… 「んぁ…あ」 蘭が目を覚ます。どうやら生きてるようだ。 “わたし、どうしたんだろ…たしか黒ずくめの男の人をつけてて…” 起き上がってみると何だか感触がおかしい。 「な、何これ!?」 服がだぶだぶ。いや、体が小さくなっている。 「一体どうしちゃったのよわたし…」  何が何だか分からない。とりあえず自分の家に戻る事にする。事務所ではい つものように小五郎が寝ている。 「ひっく、ひっく…お父さ〜ん」 「ん?何だぁこのガキは…?コナンの友達かぁ?おう、帰れ帰れ。コナンはも ういねぇぞ」 「お父さん、わたしよぉ、蘭よぉ…」 「蘭?蘭がそんなに小っこい訳ねぇだろ。さっさと帰った帰った!」 と事務所を追い出される。しばらく玄関で泣いていたが、 “そうだ新一…” と新一の家に向かう。 「新一ぃ…」 「ん?何だぁこのガキは…?」 “お父さんみたいな事言って…” 「わたしよぉ、蘭よ…」 「蘭?蘭がそんなに小っこい訳ねぇだろ」 「小っちゃくなっちゃったの!黒ずくめの服着た男の人に変な薬飲まされて…」 「な、何っ!?」  新一はその一言で全てを理解した。蘭は自分と同じ目にあったのだ。 「馬鹿野郎!!あれほど俺に知らせろと言ったじゃねぇか!」 「だってぇ〜」 「まぁいい。このままじゃ不便だろうから、着替えて、阿笠博士の所に行くぞ」 「え!?」 「ほら、俺が昔着てた服だ。早く着ろ」 「あ、そう言う事ね。でも、何で博士の所に行くの?」 「博士は…事情を知ってるからな」 「?」  博士の家。 「おほ〜っ。蘭君も小さくなったのかね」 「も?」 「あらあら」  博士と哀の驚き方がどこかおかしい。言い様のない不安に襲われてくる。 「新一?」 「実はな、蘭。皆知ってんだよ。その薬の事を」 「どうして…?」 新一目を背ける。 「あなたの口から言ったら。もう隠せないわよ」 「そうだな…実は、灰原も小さくなってるんだ」 「あ、あなたも。変な男達に飲まされたの?」 「私の事より先に言う事があるでしょ」  新一は観念して話しだす。 「……実はな。最初に小さくなったのは俺なんだよ」 「へ!?」 「小さくなった処を博士に助けてもらったんだ。だから皆知ってんだよ」 「小さくなってたって、それじゃぁ」 蘭の体が震えてくる。 「俺は、コナンだったんだ」 「!?………そんな、じゃあ、じゃあ、皆知ってたの?コナン君が新一だったっ て、新一がどこにいたかって!?」 「…………」 阿笠博士と新一は目を反らして無言。 「知ってて教えてくれなかったの!?あんなに、あんなに心配してたのに…」 「すまない、蘭。これには理由が…」 「いやっ!皆大っ嫌い!!」  蘭、泣きながら走り出ていく。 「ま、当然の反応ね。どうしたの?追いかけないの?」 「俺は、蘭を追いかける資格なんて無いさ…」 「あなたに無かったら他の誰にあるの?自分で蒔いた種でしょ、自分で刈り取 りなさい」 「あぁ、分かったよ灰原」 新一は蘭を追いかけて出て行った。